隣のブルーバード
 シンプルに一緒にいたい、か。

 彼の答えを聞いて、とても救われた気持ちになった。

 やっぱ、スグ先輩は素敵な人だ。
 9年間の片想いはけっして無駄じゃなかったと、今は心底思える。

 逃した魚は大きいと、ちょっとだけ思ったけれど、それ以上に、なんだかとても晴れやかな気持ちになった。

***


 式は終わりを迎え、花嫁、花婿は祝福の拍手のなか並んでチャペルの出口に向かっていく。

 杏子さんがわたしを見つけ、微笑みかけてくれた。
 それに応えて、わたしも小さく手を振った。
 
< 52 / 68 >

この作品をシェア

pagetop