大正ロマン恋物語 ~将校様とサトリな私のお試し婚~
今日は私のお見合いだ。
でも、見合い相手の軍人さんが顔が整いすぎてて怖い。
視線が動かなくて怖い。
何故か軍人の正装で来たので、腰に下げているサーベルが怖い!
って言うか、なにもかも怖い!
これ、人形なのではっ?
西洋で流行っているとかいう蝋人形なのではっ?
伊藤咲子は、
「三条様のご子息とのお見合いよ。
失礼のないようにしないと。
あ、これがいいんじゃない?
咲子もこれがいいでしょう?」
と継母に勝手に決められた着物を着て、自分こそが人形のように固まっていた。