大正ロマン恋物語 ~将校様とサトリな私のお試し婚~
 絶対に言えませんっ、
と主張する咲子に、行正がひとつ溜息をついて言う。

「ちょっと話してみろ。
 出会った最初から」

「え?」

「話してみろ。
 見合いの日から、お前の妄想の中の俺が、なにを考えていたのか興味がある」

 そんな風に行正は言った。


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