妖怪ホテルと加齢臭問題・その後の小話・オトナの現実と何とかの糸
その昔
天音は、20代後半に
お見合いをした事があった。

男性はいい人だったが、
その男性の母親が、難色を示した。
天音が、旅館の一人娘だという事。

先行(さきいき)、自分の息子が、婿養子として、取られるのではないかと、心配したらしい。
そして破談になった。
男の方が
「ご縁がなかった事にしたい」と、断ってきたのだ。

オトナの恋愛は・・
好きだけでは、突っ走れない。
結婚が前提になると、
いろいろな当事者以外の要因が、
複雑に、絡み合ってくるのだ。

天音は病院を出て、すぐ前のバス停に向かった。

病院からは、色々な人が出入り
する。
その一人ひとりに、家族があり、物語がある。

天音は、もう一度、腕組みをして考えていた。
自分と久遠との接点、ビジネス、
恋愛対象、結婚対象として、成りうるのか。
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