青い星を君に捧げる【零】
「すいません……道に迷ってしまって。本邸って……えっ!」


そこにはクリーム色の髪の彼。もう二度と会うことはないだろうと思っていた彼が。


「波瑠さんじゃないですか〜〜」


「佑真……?なんでここに」


ふにゃりと笑ってフラフラと寄ってくる。

この男!!と若干苛つきながら、こんなところに佑真がいるのが見つかると彼がヤバい目に遭うので急いでサンダルを履いて彼の腕を掴む。


「ちょっとこっち来て!!」


「おっとっと」


お酒を飲んでいるのか足取りが少しおぼつかない佑真の腕を引いて部屋の中に押し込んだ。


あまりにもその力が強かったようで2人して畳に倒れ込む。痛みを覚悟してぎゅっと目をつぶるがそれは彼が私の背中に回した腕によって開かれた。


恐る恐る目を開くと私を庇うように下に倒れている佑真がいる。


「随分積極的ですね〜可愛い子に迫られると照れますよ」


「……酔ってるふりしても無駄だからね」


黒いスーツに身を包む佑真。彼の緩んだネクタイをグイッと掴んで顔を近づけた。


「本郷家の集会に来てたんです。ちょっと酔いを覚ますのに散歩してたら迷ってしまって……でもまたあなたに会えた」


佑真は私の結んである髪が崩れないようにそっと触れた。その指は髪から離れ下にずれて、うなじにずれる。
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