青い星を君に捧げる【零】
本郷家がトップを務める大黒天の中でも縁のある家紋の令嬢との食事会。
噂や陰口、この人たちの相手をするのは本当に肩が凝る。そしてこの人たちの1番苦手なところは、沈黙を通していることを良いことに私を目の敵にしている。
「そういえばぁ……本郷様のお母様は亡くなられていらっしゃるんでしたっけ?ごめんなさいね、このような悩みを聞いても理解出来ないでしょう〜」
母親が過保護すぎて困ってる、なんて話題だったかな。興味がなくて目の前にある甘味に夢中になりすぎてた。
「そうですね」
「フン、相変わらず面白い反応を見せない女ね」
彼女たちは所詮本郷家の下にいる人間で。だからこれ以上追求はしない。その立場を利用して、私はいつも逃げている。
騒ぎを起こせば当主様の耳に入る。そうなれば認めて貰えるまでまた遠くなってしまう。
𓂃◌𓈒𓐍
会食を終え私は会場を離れ、ホテルの庭にあるベンチに腰を下ろす。
1人で物思いに浸り……と思っていたけれど、座る私の背後には側近として会食中もずっと一緒にいたクリーム色の髪の男の子がいる。
それ以外の護衛たちは居ないから幾分か気楽だけど。何を考えてるのか読み取れない彼は苦手だ。
噂や陰口、この人たちの相手をするのは本当に肩が凝る。そしてこの人たちの1番苦手なところは、沈黙を通していることを良いことに私を目の敵にしている。
「そういえばぁ……本郷様のお母様は亡くなられていらっしゃるんでしたっけ?ごめんなさいね、このような悩みを聞いても理解出来ないでしょう〜」
母親が過保護すぎて困ってる、なんて話題だったかな。興味がなくて目の前にある甘味に夢中になりすぎてた。
「そうですね」
「フン、相変わらず面白い反応を見せない女ね」
彼女たちは所詮本郷家の下にいる人間で。だからこれ以上追求はしない。その立場を利用して、私はいつも逃げている。
騒ぎを起こせば当主様の耳に入る。そうなれば認めて貰えるまでまた遠くなってしまう。
𓂃◌𓈒𓐍
会食を終え私は会場を離れ、ホテルの庭にあるベンチに腰を下ろす。
1人で物思いに浸り……と思っていたけれど、座る私の背後には側近として会食中もずっと一緒にいたクリーム色の髪の男の子がいる。
それ以外の護衛たちは居ないから幾分か気楽だけど。何を考えてるのか読み取れない彼は苦手だ。