青い星を君に捧げる【零】
「____なぜ言い返さないのですか」
「えっ?」
静かな夜に後ろから突如聞こえた声に驚いて振り向く。男の子は私を見ることなく遠くで揺れる木々を眺めている。
「母親が亡くなっていることを笑われて怒らなかったので」
ああ、彼は会食中の会話のことを言っているのかと気づいた。
「いつものことだし……どうでもいいの」
「はっ、どうでもいいってあなたにも思ってることぐらいあるでしょう」
男の子は呆れたように嗤う。それがどうしても気に食わなかった。
「私が何を言っても無駄なの!!!普通に生きてきたあなたには分からないでしょうけど!!」
勢いよく立ち上がり男の子を睨んだ。そこでようやく彼は私と目を合わせた。
最悪、嫌い、大嫌い。
何が信頼出来る人だ。匡の嘘つき。
背の高い彼の息遣いが近い。私たちは理解し合えない、真反対の人間だと痛く感じた。
「ええ、1から10まで分かりませんね。俺には伝わりません」
「あなたに言いたいことなんて1つしかない」
何です、と首を少し傾げる男の子を羨んだ朝の自分を止めたい。
「私の前に二度と現れないで」
そう言い残すと1日だけの側近の彼を置いて私はホテルの中へと戻ることにした。
「えっ?」
静かな夜に後ろから突如聞こえた声に驚いて振り向く。男の子は私を見ることなく遠くで揺れる木々を眺めている。
「母親が亡くなっていることを笑われて怒らなかったので」
ああ、彼は会食中の会話のことを言っているのかと気づいた。
「いつものことだし……どうでもいいの」
「はっ、どうでもいいってあなたにも思ってることぐらいあるでしょう」
男の子は呆れたように嗤う。それがどうしても気に食わなかった。
「私が何を言っても無駄なの!!!普通に生きてきたあなたには分からないでしょうけど!!」
勢いよく立ち上がり男の子を睨んだ。そこでようやく彼は私と目を合わせた。
最悪、嫌い、大嫌い。
何が信頼出来る人だ。匡の嘘つき。
背の高い彼の息遣いが近い。私たちは理解し合えない、真反対の人間だと痛く感じた。
「ええ、1から10まで分かりませんね。俺には伝わりません」
「あなたに言いたいことなんて1つしかない」
何です、と首を少し傾げる男の子を羨んだ朝の自分を止めたい。
「私の前に二度と現れないで」
そう言い残すと1日だけの側近の彼を置いて私はホテルの中へと戻ることにした。