青い星を君に捧げる【零】
そんなアナウンスが聞こえた。佑真も聞こえているはずなのに微動だにしない。
女の子が元々近かった佑真の方へ更に1歩近づいた。背伸びをして、どんどんとお互いの顔が近づく。
「だめ……いや」
その光景を目の当たりにしている私は無意識に口が動いた。届くはずのない言葉は歓声によって掻き消される。
女の子の唇が彼の頬へ触れる直前。佑真は私と見つめ合っていた顔を歪め、素早く女の子の肩を軽く押して自らから離した。
驚く司会者が握っていたマイクを彼は攫い、ざわめく会場が静まる。
『優勝ありがとうございます。でもごめんなさい。俺、好きな子がいるんです』
真っ直ぐと私を見つめて佑真は満面の笑みを浮かべた。マイクを返し、ステージを降りると一直線に私たちの方へ向かってくる。
「あーあ。アイツにあれだけアンタのことを目立たせるなって言ったのにな」
敦さんの呆れた声が聞こえて、それとほぼ同時に佑真が私の前で足を止めた。会場中の視線が集まっている気がする。
「やっぱり俺、波瑠さんのこと好きです」
まるでいたずらが成功した子どものように彼は笑い、しかし瞳の奥で燃える真剣さが伝わる。
そして彼の言葉を聞いた周りの人から波紋が伝わるが如く噂が広がっていく。
女の子が元々近かった佑真の方へ更に1歩近づいた。背伸びをして、どんどんとお互いの顔が近づく。
「だめ……いや」
その光景を目の当たりにしている私は無意識に口が動いた。届くはずのない言葉は歓声によって掻き消される。
女の子の唇が彼の頬へ触れる直前。佑真は私と見つめ合っていた顔を歪め、素早く女の子の肩を軽く押して自らから離した。
驚く司会者が握っていたマイクを彼は攫い、ざわめく会場が静まる。
『優勝ありがとうございます。でもごめんなさい。俺、好きな子がいるんです』
真っ直ぐと私を見つめて佑真は満面の笑みを浮かべた。マイクを返し、ステージを降りると一直線に私たちの方へ向かってくる。
「あーあ。アイツにあれだけアンタのことを目立たせるなって言ったのにな」
敦さんの呆れた声が聞こえて、それとほぼ同時に佑真が私の前で足を止めた。会場中の視線が集まっている気がする。
「やっぱり俺、波瑠さんのこと好きです」
まるでいたずらが成功した子どものように彼は笑い、しかし瞳の奥で燃える真剣さが伝わる。
そして彼の言葉を聞いた周りの人から波紋が伝わるが如く噂が広がっていく。