青い星を君に捧げる【零】
本心を伝えるのが怖い。いつか離れて行ってしまうなら、いっそ最初から近づかなければいいと思う。

なのに佑真はお構い無しに私を救おうとする。


「"初恋"であるあなたが最後の恋人になってくれることを祈ってますよ」

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佑真が醸し出す甘い空気に耐えられないと言った敦さんと別れ、私たちは再び模擬店や各クラスのダンスパフォーマンスを鑑賞した。


「……私も来年この高校に入学したいな」

学生生活なんて私には到底無理な話だけど、憧れるくらいしたって許されるよね。自身を包む制服のスカートをサラリと横に流す。

「えーじゃあ俺は留年したくなる」


「バカなこと言わないでよ。ちゃんと卒業して、大学にでも行って。それで、私に話して聞かせて」


「……あなたはやりたいことをちゃんと当主様に伝えた方がいい。口にしないと思いは分からないよ」

それは藤野佑真としての助言だったのか、それとも白虎総長としてのものだったのか。


そう遠くない未来、その答えにたどり着く日は来るに違いないと私は確信した。
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