恋なんてしないと決めていたのに、冷徹御曹司に囲われ溺愛されました
 絢斗の目を見つめてそう言ったら、彼が目を大きく見開いた。
「意味、わかってる?」
 今、無性に彼が欲しかった。
 自分の気持ちに向き合うと決めたのだ。
 後悔はしない。
「わかってる。だから……最後まで……!」
 最後までしてと言い終わる前に、彼が私を抱き上げて寝室のベッドに運んだ。
「ちゃんと抱きたいから」
 そう告げて再び彼が私の唇を奪い、バスローブの中に手を入れて胸を揉み上げる。
「……んん」
 吐息を漏らすと、彼は私の耳朶を甘噛して首筋に唇を這わせる。
 触れたところが熱い。
 彼の唇が首筋から鎖骨へと移動し、身体がゾクゾクッとした。
「あ……ん」
 喘ぐ私のバスローブを脱がすと、彼は私の胸を口に含んで吸い上げる。
 甘い快感に襲われ身体を反らした。
「絢斗……」
「もっと名前呼んで」
 彼は私の頬に愛おしげに触れると、胸を舌で舐め上げ、私の太ももを手で舐め回す。
「絢……斗」
 彼の名前を呼ぶがもう声にならない。
 快感で全身が麻痺していた。
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