恋なんてしないと決めていたのに、冷徹御曹司に囲われ溺愛されました
「ちょっ、叔父さん、なに言ってるの!」
「それは初耳だな。後でじっくり話を聞かせてもらおうかな」
 絢斗が楽しげに目を光らせているので首を左右に振って否定した。
「話すことなんてなにもないよ!」
 ついムキになってしまって声を上げた私を歩が自分に唇に人差し指を当てて注意する。
「美鈴、猫たちがビックリしてる、シーッだよ」
「はい、ごめんなさい」
 素直に謝る私を見て、絢斗と叔父さんがククッと笑った。
「たまに歩が兄に見えることがあるんだよな」
 叔父がしみじみと言うと、絢斗もうんうん頷いて同意した。
「僕もそう思います。歩しっかりしてるから」
「今日はこの後どこかに行くなら歩を預かるが」
 叔父が歩を気にして申し出るが、絢斗が笑顔で断った。
「お気遣いありがとうございます。でも、今夜は三人で食事をする予定なので」
「そうか。こいつらのこと、よろしく頼むよ」
 叔父が真剣な顔で頭を下げると、絢斗が慌てて言った。

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