恋なんてしないと決めていたのに、冷徹御曹司に囲われ溺愛されました
「頭を上げてください。僕にふたりを託してくださって感謝しています。必ずふたりを守ります」
 絢斗が叔父に約束するのを聞いて胸が熱くなる。
「あ〜、なんか美鈴を嫁に出すみたいだな」
 叔父が少し照れながらそんな発言をするものだからギョッとした。
「叔父さん!」
 まだ付き合い始めたばっかりなのに絢斗に変なプレッシャーかけないで。
 叔父の背中をバシバシ叩いて抗議する私を見て絢斗がニヤリとした。
「もう一緒に住んでいますし、嫁にもらったようなものですけど」
「あ、絢斗〜!」
 絢斗の言葉にも狼狽えていたら、秀さんが現れた。
「美鈴ちゃん、こんにちは」
「あっ、秀さん今日もなにか忘れ物ですか?」
「いいや、今日はイブだから美鈴ちゃんと歩くんにプレゼントを持ってきたんじゃよ」
 秀さんが有名ブランドショップの紙袋を私と歩に手渡す。
「まあ、そんなお気遣いいただいて、私なにも用意してないのに……。ありがとうございます」
 
< 198 / 256 >

この作品をシェア

pagetop