恋なんてしないと決めていたのに、冷徹御曹司に囲われ溺愛されました

彼の後ろにいた杉本くんも私を擁護する。
『そうそう。芹沢さんは俺たちと一緒だった。芹沢さんが疑われるなら、俺たちも疑われているってことになるな』
　生徒会長の一条くんと副会長の杉本くんにそう言われ、急に佐藤さんはしおらしい態度になる。
『あの……その……勘違いでした。机の中にありました。すみません』
　佐藤さんがピンクと黒の市松模様の財布を机から出して一条くんと杉本くんに謝る。
『謝る相手が違う。芹沢さんに謝って――』
　一条くんが私を信じてくれて嬉しかった。
　高校時代にあった出来事。これは……夢だ。
　高校時代？　夢？　……一条くん？
　そうよ、一条くん！
　パッと目を開けたら知らない部屋に彼と寝ていて、思考が止まった。
　キングサイズよりも大きなベッドの中央で彼に腕枕されていて……。
　え？　え？　ええ〜！
　一体なにが起こったのか？
　まだ夢を見ていると誰か言ってほしい。