恋なんてしないと決めていたのに、冷徹御曹司に囲われ溺愛されました
 でも、頭がズキズキと痛んで、これは現実だと教えてくれる。
 一条くんを起こさないようゆっくりと起き上がるが、なんだか胸がスースーして違和感を覚えた。
「あっ、やだ」
 胸元を見たら、胸が露わになっていて慌てて手で胸を押さえる。
 ひょっとして裸?
 恐る恐る布団の中を覗いて見ると、ショーツは穿いていてホッとするが、それで完全に安心はできなかった。
 一条くんも上半身裸で、互いの脱いだ服が床に散乱している。
 これはどういう状況?
 彼と寝たの?
 最悪の事態を考えて顔から血の気が引いていく。
 ベッドの足元にはベッドスローが敷かれ、ホワイトとブラウンを基調としたシックな部屋で、生活感がない。
 ここは……ホテルの部屋? 昨日なにがあったの?
 一条くんと食事をして、それでお酒飲んで……じゃない!
 あ、歩!
 叔父さんに預けっぱなし! 早く迎えに行かないと。
 おまけに今日は月曜で仕事もある。
 ベッドサイドのデジタル時計を見たら五時を回っていた。
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