恋なんてしないと決めていたのに、冷徹御曹司に囲われ溺愛されました
 LINEを送るとすぐに既読がついた。
 よかった。叔父さん、起きてる。
【なにかあったのか? 歩は今ご飯食べてるよ】
 すぐに叔父から返事がきて、私もまたメッセージを送った。
【お酒飲んじゃって、そのまま寝てた。ごめん】
【まあ、無事でよかったよ。じゃあ、気をつけて来いよ】
無事といえば無事だけど、一条くんとなにもなかったとは言えない。
【うん、心配かけてごめん】
LINEを終わらせると、窓の外を眺めた。まだ朝早いから車が少ない。
これなら通勤ラッシュに巻き込まれずに叔父のマンションへ行けるだろう。
だが、ホッとしてなんかいられない。
頭の中は混乱していた。
どうして一条くんとフレンチ食べてたのに、彼と一緒のベッドで寝てるの〜。
しかも、私は下着姿だった。
ホテルの部屋までどうやって行ったかも、自分で服を脱いだ記憶もない。
まさかと思うけど、一条くんと寝た?
頭がズキズキ痛む以外は、身体に違和感はない。
でも、男性経験がないからなんともいえない。
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