恋なんてしないと決めていたのに、冷徹御曹司に囲われ溺愛されました
 仕方なく見合いを受けることにしたものの、結婚する気はないし、女と付き合う気もない。
『どうやって断るかな』
 仕事が忙しいから結婚なんて考えられないと言っても相手は納得しないだろう。
 やはり、一番効果があるのは、恋人を同伴すること。
 だが、俺には付き合ってる女性なんかいない。それに、恋人役を頼める女性もいない。
 もし、知り合いの女性に頼めば、気があると勘違いされる可能性がある。そんな面倒は御免だ。
 自分の執務室で悩んでいたら、拓真が言ったのだ。
『レンタル彼女利用してみたらどうだ?』
 拓真は同い年の俺の幼馴染。隣の家に住んでいて、昔はやたらと俺に絡んでくる彼が苦手だった。
 俺がいつも無表情だったからこいつは弄って楽しんでいたのだ。
 それは社会人になっても変わらないが、頭も切れるし、結局のところ一番彼が俺のことをわかっているのでそばに置いている。
『レンタル彼女?』
 漫画で聞くような言葉が出てきて首を傾げた。

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