恋なんてしないと決めていたのに、冷徹御曹司に囲われ溺愛されました
『金で恋人の振りをしてもらうんだよ。ビジネスだから後腐れなくていいだろ?』
 拓真がスマホのレンタル彼女のサイトを見せる。
 少し眺めるが、キャストの写真付きのリストとランク分けがあって、料金もランクによって違っていた。
 おまけに一カ月専属契約とかの選択があって胡散臭い感じがする。
『危険なサービスじゃないのか?』
『まあ、お前は真面目な性格だから、そういうの嫌うよな。だが、この短期間で恋人役を見つけるなら、これが一番手っ取り早い。実は俺のバンド仲間がレンタル彼女を運営しててな。いい子を紹介してくれるよう頼んでみようか?』
 恋人役を頼むにしても誰でもいいわけではない。
 アイシージェーの副社長という立場上、口が堅い相手でないと困る。
『お前の知人が紹介する相手の写真やプロフィールを見て決める』
 俺がそう返すと、拓真は『了解。早速問い合わせてみる』とフッと笑って俺の執務室を出ていく。
 もし俺の条件に合いそうな相手がいなくても、そこは妥協しなければいけないだろうな。
 
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