恋なんてしないと決めていたのに、冷徹御曹司に囲われ溺愛されました
レンタル彼女を依頼する人も叔父がかなり厳しく審査しているらしく、上質な客しかいないらしい。上質というのは、お金持ちで社会的に地位もある人。そしてなにより重要なのはキャストの女の子に悪さをしないということ。
叔父は客の身元を知っているから安全だと言っているが……。
「絶対に無理」
 知らない男性とデートなんてできるわけがない。
《予定してた女の子がインフルエンザにかかってさあ、他の女の子もみんな出払ってて、もう美鈴しかいないんだわ。だから、頼むよ》
 叔父が私に頭を下げている姿が目に浮かんだけれど、厳しい態度で言い返した。
「勝手に私をメンツに入れないで。猫カフェは手伝っても、レンカノはやりません!」
 きっぱり断る私に叔父は食い下がる。
《そこをなんとかお願いしますわ、美鈴ちゃん。もう前金もらってるんだよね。しかも五十万円》
「もう時間ないから切るね!」
 五十万円ってどんなサービスするのよ。
 叔父の返答に呆れてしまって一方的に電話を切ると、保育園へ猛ダッシュする。

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