隣のキミ


いつも通りの朝
誰もいない教室

僕は自分の席に座り
窓の方を見る
僕の大好きな人の席。

朝の日差しが窓から射して
キラキラしている


-がらがら-


「おっ!!やっぱり1番だな」

教室に入ってきたのは
僕の唯一の友達


「咲人、早いね」

「理久が来てると思ってさー
あっ、邪魔だったか笑」


咲人は僕の好きな人のことを知っている


「大丈夫。宿題やった?」

「バレてたかぁ…ノート見せて」


咲人が手を合わせてくる


「サキ、お前またやってないのかよ」


声だけなのにドキッとする
僕の大好きな人の声


「琉唯おはよー」

「おっす、昨日ゲームしてたろ!!」

「なんだよー知ってたのかよ」

「咲人ノート。」

「ありがとう〜さすが理久だよ!!!
つか琉唯お前気付いてたなら教えろよ〜」


ノートを受け取った咲人は
僕の好きな人を追いかけて行った。


僕もあんなに話せたらいいのに…



色々考えてたら
クラスメイトが登校して来て
すぐに教室がいつもの賑やかさになった。












お昼休み
僕がトイレから戻ると隣の席の周りには人が沢山集まっている。


「琉唯さ〜今日帰りにあそこ行かね?」

「今日もかよー俺パスだわ」



人だかりの奥には
キラキラと茶色の髪の毛が光っている


自分の席に座り
お弁当を出す

いつもの日常。

誰かと食べるわけではなく
好きな人の隣の席で食べる

それが僕の唯一の幸せ。



「ちょっとさー俺お茶忘れたから買って来てくんね??」

「購買行ってくるからいいよ。
ほら早く行こうぜ」

「お、おう」



何故か今日は不自然に
隣の席の周りから人が減っていく


1番後ろの端っこには
僕と僕の好きな人だけになった。



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