ヴェルカナ
ヴェルカナ


ヴェルカナは、とある牧場の娘である。11歳で、ただ1人の身内であるおじいちゃんの手伝いをしていた。
学校に行くより、おじいちゃんと馬や羊の世話をしている方が楽しいから。
ヴェルカナはおじいちゃんを手伝いながら、不思議に思った事を毎日聞いていた。
「おじいちゃん、どうして空は青いの。」
「みんなの寂しさを吸い込んでいるからさ。」
「おじいちゃん、どうして私達は、食べ物を食べるのかな。」
「食べないと、死んでいった生き物に失礼だからさ。」
「おじいちゃん、どうして雨は降るのかな。」
「空と地面を繋げる為さ。」
「おじいちゃん、どうして人は死ぬの。」
「次の人間に全てを繋げる為さ。」
おじいちゃんは決して、世間で一般常識にされているものには触れなかった。ヴェルカナが持つ全てを、つまらない常識に押し込めたくはなかったからだ。
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