ヴェルカナ
でもある日、おじいちゃんは病に倒れた。おじいちゃんに頼りきりだったヴェルカナは、米の炊き方も知らなかったが、おじいちゃんの為に一生懸命動いて勉強した。
お粥をやっと作れるようになった時は、おじいちゃんは泣いて喜んだ。
「ヴェルカナ、お前は素晴らしい。私なぞがいなくても生きていけるな。」
「おじいちゃん、そんな事を言わないで。ヴェルカナはおじいちゃんがいなければどうすればいいのか解らないわ。」
死期を悟るおじいちゃんに、ヴェルカナは手おじいちゃんのを握ってしくしく泣く事しか出来ない。
「いいや、お前なら出来るさ。」
それからほどなく、おじいちゃんは亡くなった。ヴェルカナは最初信じられず、動かなくなったおじいちゃんの隣で寝ていたが、腐敗の進行で側にもいられなくなってしまう。