幼なじみ
好き。
「あ~、意味がわからん!」

数学の問題集を開きながら、健悟(けんご)は頭を掻く。

「なに、どうしたの、健悟」

喜々良(ききら)が健悟を見るが、健悟はため息をつく。

「2週間、眠り姫だったきーにわかるのかよ」

佑典(ゆうすけ)の家に引き取られてすぐに、喜々良は熱を出して、ずっと眠っていた。

「わかるよ!
それ、昨日、ゆうちゃんに教えてもらったもん!」

「マジ!?」

ガシッと喜々良の手を掴む。

「教えて下さい!」

健悟は頭を下げる。

「しょうがないな~!」

喜々良はニヤニヤ笑いながら、健悟にわからないところを教えた。

「⋯お?
お、おお!
すげぇよ、きー!
俺でもわかった」

健悟が嬉しそうに笑った時、何故かドキドキしだした‐。
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