幼なじみ
「なんで悩むんだ?」

意味がわからないと言うように、健悟は頭を傾げる。

「好きではなくても、嫌いじゃないなら付き合えばいいじゃん!」

「あんたみたいに、人類みんなが単細胞じゃないの!」

朝来が健悟を小突く。

「ええ!?ひどい…」

嘆く健悟を無視し、朝来は話を進める。

「…もしかして、他に好きな人がいる?」

ビクリと喜々良の肩が揺れ、

「うん…、でも、叶わない恋」

健悟の名前は出さずに、全てを話す事にした。

「その人、彼女がいるんだけど、…まだ、忘れられなくて。
ゆうちゃんも、その事を知ってて、その人を好きなままでもいいからって言ってくれたの」

「わ~、素敵!!
もう付き合っちゃえばいいのにぃ」

結局、朝来も健悟と同じ事しか言えず、健悟があきれている。
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