幼なじみ
「ごめん、ごめん。
でもわからないや…」

「わかった」

妙にテンションが下がったまま、学校へ行く。

ある日、バスケットボール部を見に行くと、誰かがたまたまスリーポイントを決めていた。

女子からは黄色い歓声があがり、部員たちはハイタッチをして盛り上がっている。

「なんか⋯いいな」

その光景が楽しそうに見えて、喜々良はバスケットボール部のマネージャーになった。

「ききちゃんがバスケ部に来てくれて嬉しい」

実はバスケットボール部のエースだったらしい、佑典が笑顔で喜々良に言う。

「その笑顔は反則ですよ、先輩」

「なんで？」

佑典は不思議そうにしているが、キュンキュンするとは言いたくない。

「なんでもです！」

「変なの！」

「変で結構です！」

「ま、そこも可愛いけどな！」

髪の毛をクシャクシャと撫でられる。
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表紙・目次

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