アイドルが彼氏になったら

エレベーターには犬を連れた人が
乗っており
幸い二人だけの状況は避けられた

年上なのに、
子供じみた事をしてて
恥ずかしい

追いかけるから、つい逃げてしまった

その手前態度を変えられなくなっている


部屋に入ると同時に

 「ごめん!!!」

ユジュンが謝る
彼が悪いわけではないのに可哀そう

「何に対して謝っているの?
 あなたのせいじゃないでしょ?」

 「僕の管理が至らず、
  気分を悪くさせてしまった
  本当にごめんなさい」

 「あんな嫌がらせ
  傷ついたよね…」

 「明日事務所通じて
  本人とちゃんと話す」

完璧な謝罪

でも気分は晴れなかった

「ジュンジュンの事を
 怒ってなんかいないよ」

「ユナさん?の事も毎日怖かったけど、
 全然怒ってなんかいない」

「何か、自分がみじめに
 なっちゃってさ…」

「あなたの方が浮気相手なのよ、
って言われて、

ありえるのかもしれない
と思って言い返せなかった」

「ひどい彼女でしょ?ごめんね。」

「だから何?

 ありえるかもってナミが
 何度思ったとしても、

 俺がその何倍も”ありえない”って

 思わせてあげる!」

彼の大きな声に驚いた

「何度俺の愛を疑って自信をなくしても、

 俺の言葉と行動で、

 その何倍も確信をもたせてあげる。」


私なんかにもったいない…
彼に負担をかけている事が情けない

 「ナミが何と思っても

  ナミを愛している

  それが真実だ」

身振り手振り激しく
眉を八の字にしてこちらを見つめる


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