アイドルが彼氏になったら
パクさんは休暇の明けたその日に
社長室にきて、退職願を出した
「今は冷静です。
大変ご迷惑をおかけしました。
申し訳ございませんでした!」
「考え直してください」
「答えは同じです」
「どうして?また気持ち切り替えて
いきましょうよ!」
返事はない
「変わらないですか?」
「変わらないです」
「どうして?冷静になったならまた…
一緒に……
やりましょうよ?…」
言葉がつまる
「社長 私はもう自分が許せないんです。
愛する人を傷つけてしまった
自分が信用できない!」
「私は気にしていません。
どうしてもだめですか?」
「はい 申し訳ございません」
「私にも時間をください…」
「できれば2ヶ月位は…」
気がつかない間に泣いていた
「はい、引き継ぎはしっかりやります」
椅子を回転させて顔を隠す
一人で始めたことだけど
一人で成し遂げた事はない
この言葉がまた浮かんできた
パクさんが部屋を出て行く
涙で濡れた頬をパーンパーンと2回たたいた
「がんばれナミ!
お前なら乗り越えられる!」
今までもたくさん困難はあったし
信頼していた人との別れもあった
会社が成長する限り仕方のない事だと思っているが、、、
パクさんは別だった
立ち上がり空をみる
言い知れない孤独が胸に広がる
広い空の下たった一人になってしまったと感じた
誰とも共有できないこの気持ち
寂しい…
寂しいよ…
パーン
また叩いた
いい加減強くなりなさい!