アイドルが彼氏になったら
「え?なんですか?」

  「あのー すごくタイプで
   声かけちゃいました。
   ちょっとお話しできませんか?」

「え?あー 
 今人と待ち合わせしてて、
 行かなきゃいけないんです
 ごめんなさい」

  「どこですか?
   その場所まで一緒に
   行っていいですか?」

「だめです。
 相手は彼氏なので怒られます。」

  「でも今はそばにいない
   でしょ?ちょっとだけ
   時間つくってよ」

といって腕をつかんできた。

「ちょ! 何ですか!」

隣に大きい影がくる


 「なんだおまえ? 
  誰の腕つかんでんだよ 
  離せ」

いつのまにかユジュンが
隣にいて、相手の手を払いのける

  「ちょっと道聞いただけだよ」

 「俺の彼女だよ 
  気安く声掛けんじゃねーよ」 

  「わかったよ 
   ただのナンパだよ 
   すぐ行くから!」


足早に逃げる男
ユジュンは見えなくなるまで男の背中をにらんでいた

 「ったく! 大丈夫? 
   触られたよね、痛くない?
   あとで消毒しようね」


そういってさりげなく私が手に持った
バスケットを持ってくれる

「大丈夫!ごめんね、
 自分で追い払えなくて」
「迷惑かけちゃった」

 「ナミが謝る事じゃないよ」

「目立ってるから移動したほうが
 いいね!」

チラチラ見る人が増えてきた

 「そうだね急ごう!」

ユジュンが私の手を取り
足速にその場を去る

「この辺で別々に行こう!
 チラチラ見る人が増えてきたよ!」

 「いい、このまま行こう」

「だめだよ、危ないよ」

 「一人にした方が危ないの! 
  さっきの生きた心地がしなかった

  やっぱりナミを一人にしたら
  いけない事がわかった!」

「大袈裟だよ、
 ただのナンパでしょ?」

 「あーゆーことから事件になったり
  するし、そもそも
  ナンパがだめなの!」

立ち止まりこちらをむいて
大きな声を出した

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