アイドルが彼氏になったら
当日は車で移動した

ユジュンのちょっとした仕事も兼ねていて、何人か事務所の人が一緒だ


この方達には私の事を何て説明しているんだろうか?

いつも私のことまで丁寧に対応してくださり申し訳ない

畑や田んぼが増え緑が色濃くなってきたところで美術館入り口に着いた



入り口の木々も多分作品のように計算されていて配置され、入る前から素敵だった


 「ナミも自然が好きってわかって
  からずっとここに来たかった」

「本当に綺麗な森ね。
 建物も楽しみ。」

 「美しいよ、期待してて」


美術館はアール・デコ様式の洋館だった

モダンな建物を想像してたので少し
驚いたが、それはそれは美しい建物だった


外壁は漆喰で窓枠や入口の戸などは全て本物の木を使っている

色褪せたり腐る心配があるから、
最近の建物は外側にほとんど天然木を使わない

古さはもちろんあるが隅々まで綺麗に手入れされピカピカだった

事務所の方が館長さんと挨拶する

ユジュンも続いて挨拶し、
好奇心の視線を感じ
私は少し離れた場所から会釈した


恋人面できないし、何者?とも思われたくないし、
難しい立ち位置で会得した技

遠くから会釈だ


中に入ると建具や壁、天井にアール・デコ
特有の綺麗な曲線がふんだんに使われていた


「綺麗!素敵!」

 「いいでしょ?気に入った?」

「うん!とっても!」

 「僕は年に何度かここにくるんだ」
 「好きな部屋があっていつもそこで
  ボーッとするんだよ」

「いいね、贅沢ね」

 「その部屋に行ってみよう」

階段を上がって2階にいく

無垢板を使ってるようで少し床なりが
しているがそれも天然の木を使っている証だ

踊り場のステンドグラスが最高に綺麗で
しばらくみとれた

マリア様の絵だった 

光が入り御光が差しているように見え
幸せを感じる絵だった


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