アイドルが彼氏になったら

33.僕の光

カフェに着いてしばらくたっても二人きりだった

「皆さんお茶しないのかな?」
「声かけなくてて大丈夫?」

 「うん、後でくるよ」

「よかった」
 
「今日は楽しかったね」

左手を眺めながらつぶやく
私の薬指にピッタリ

「ねえ、どうしてサイズわかったの?」

「他の指より2サイズくらい小さいから
 すごく難しいと思うんだけど」

 「ナイショー」
 「それを話したらロマンチックじゃ
  なくなるでしょ?」

「え!そんな細かい事ができるよう
 になったの?感動!」

 「どーゆー意味?
  俺だってできますー」

 「でも気に入ってくれてよかった!」
 「僕はお店に行けないから
  マネージャーに行って
  もらったんだよ」

 「テレビ電話しながら何時間も
  かかちゃった」

「それは大変だったね。
 マネージャーさんもプライベートの
 ことまで大変ね。お礼しなきゃね。」

ユジュンがテーブルの上で私の左手を両手で包む

大きくて綺麗な手

私をニコニコ見つめる
ちょっと照れてて、
口数が少ない


==


自分でも驚くくらい緊張している

頭の中で大量の言葉が駆け巡る

ナミを前にして何から伝えたらいいかわからなくなった


柔らかい手 柔らかい笑顔 目尻の笑い皺
俺があげた指輪

あ〜大好きだ

 「愛してるよ」


結局出てきたのはその言葉だけ

少し驚いた顔をしたあとくしゃっと笑顔になり

「私はもっと愛してる」

だめだ、俺の負け

彼女の手をひき甲にキスをする

ナミがふふっと笑う
キザだったかな


 「これからもずっとそばにいてほしい

次に伝えたかった言葉

「ユジュンが嫌にならない限りそばにいるよ」

またやられる


 「僕がいつも伝えたいのは
  君のことが愛おしくてたまらない
  という事」


 「ずっとそばにいたいという事
  それだけ」

 「これからどんな事が起こっても、
  僕の為に何かプッレッシャーを
  感じたりする必要はないからね」

 「そのままの君が大好きだから」



「どうしたの?やだ、改めて言われる
 と泣けてきちゃう」


 「僕の光になってくれて

  ありがとう」


 「本当に

  愛してる」


涙を目の表面張力ギリギリにため
踏ん張っていた

両手にもったナミの手を広げ薬指を探して
優しく撫でる

節がなく白くて綺麗な指だ
あげた指輪が光っている


二人とも無言




ポケットからある物をそっと取り出しナミの薬指にさっとはめた


沈黙が流れる




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