目の上の義母(たんこぶ)
会うたびに子どものことをうるさく言われるから、このお正月の集まりも覚悟していた。


だけど、流産直後で…。

しかも、幸せな妊婦さんの真奈ちゃんと比べられたら…。


…もう、メンタルがついていけない。


「ちょっと…お手洗いにいってきます」


なんとかその場を抜け、わたしはトイレへ。

そこで、声を殺して泣いた。


なにも知らないとはいえ、今のわたしにあんなこと言わなくたって…。

それに、真奈ちゃんの妊娠のことを素直に喜べない自分が……嫌で仕方がない。



しばらくして、トイレから出た。

リビングから聞こえる会話は、陸斗くんと海斗くんのことについて変わっていた。


だから、もう大丈夫だと思って戻ったのに――。


「…あっ!陽葵さん、帰ってきたわね!」


お義母さんはドアの音に反応するなり、わたしに手招きをする。
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