目の上の義母(たんこぶ)
そこまでのことは言われていないけど、少し話を盛っておいた。


――そうしたら。


「…そんなことないよ!俺だって、ちゃんと陽葵との将来は考えてるっ!」


なんと、思いがけない言葉が飛び出してきた。


ちゃんと、わたしとのことを考えてくれていたの…⁉︎


「陽葵は、俺が幸せにするって決めてるんだから、そんな占い師の言うことなんて気にすんな!」


まさか、翔平がそんなことを思っていてくれていたとは知らなくて――。

不覚にも、惚れ直してしまった。


「その占い師がインチキだってことを、俺が証明してやるよ!」

「証明…?どうやって?」

「そんなの決まってるだろっ」


そう言うと、翔平は優しくわたしの手を握った。


「結婚しよう、陽葵。それで、2人で幸せになろう!」


これが、翔平からのプロポーズの言葉だった。
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