目の上の義母(たんこぶ)
しかし、そこで言葉を失った。


なんと、翔平は気持ちよさそうな寝息を立てて、眠っていたのだった。


もしかして、…寝落ち!?


そう思いたかったけど、寝落ちなら常夜灯がついていたはずだ。

それを消して、部屋を真っ暗にしていたということは――。


これは、ガチ寝だ。


「ねっ…、ねぇ翔平…!」

「……ん?なに…?」


わたしが体を揺すると、わずかに目を覚ます翔平。


「なんで…寝てるのっ!?」

「なんでって、明日朝早いから…」

「…って言ったって、まだ10時だよ!?」

「いいじゃん…、俺が寝たいんだからっ」


…なにそれ。


「今朝、約束したの…覚えてる?」

「…約束?…なんだっけ?」


わたしは、ため息をつくしかなかった。


わたしが、毎月毎月気にしている排卵日。
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