目の上の義母(たんこぶ)
だけど翔平は、いつまでたっても気にしてくれる素振りはない。


「わたし…言ったよね?もうすぐ排卵日だからって」

「ああ〜…、そのことか。…明日じゃダメなの?」

「明日じゃ、排卵してる可能性もあるから…。できれば、今日がいいんだけど…」

「え〜…。こんな状況で、やれって言うの〜…?」


渋い顔をして、わたしに視線を送る翔平。

こうなるのがいやだったから、朝のうちに言っておいたのに…!


「じゃあ…もういいよっ」

「うん、わかった。おやすみ、陽葵」


それだけ言うと、翔平は本当に寝てしまった。


この日のために、いつもしている半身浴をせずに早めにお風呂から上がって、新しい下着だってつけたっていうのにっ…。

そのすべてが無駄になってしまった。



そして、次の日の夜。

なんとか頭を下げてお願いすると、翔平は渋々タイミングを取ってくれた。
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