目の上の義母(たんこぶ)
寝癖のついた黒髪短髪の頭をポリポリとかきながら、ようやく起きてきた翔平は顔を洗いに洗面所へ。


その間に、わたしは朝食をお皿に盛り付け、テーブルの上に敷かれたランチョンマットの上に並べておく。


「…いただきます」

「いただきます」


まだ完全に起きていないのか、テンションの低い翔平の向かいに座って、わたしもいっしょに朝食を取る。


翔平は、あくびをしながら朝食のトーストをかじり、スマホをいじる。

わたしは、朝のニュース番組になんとなく目を移す。


だから、この時間のダイニングはテレビの音しか聞こえない。


まるで熟年夫婦のような朝の静けさだけれど、わたしたちは結婚してまだ1年。

世間一般で言うと、まだまだ『新婚』と言われる時期かもしれない。


決して、仲が悪いというわけではない。
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