目の上の義母(たんこぶ)
でも、結婚するまで6年も付き合っていたのだから、自然とこうなっても仕方ないのかもしれない。



「翔平…!お弁当、忘れてるよ!」

「…あっ、ほんとだ。ありがとう、陽葵」


わたしは、玄関で靴を履いていた翔平のところへ慌てて駆け寄る。


ここで、いってきますのキス…。

なんてものはないけど、わたしは笑顔で翔平を送り出した。



スーツを着て出勤する翔平は、中小企業に務める、こちらもごく普通のサラリーマンだ。

歳は、わたしよりも3つ上の33歳。


年収は、年相応くらい。

特に贅沢な暮らしをすることもなく、わたしたちは普通の結婚生活を過ごしていた。



翔平と出会ったのは、今から7年前。

わたしが23歳で、翔平が26歳のときだ。


たまたま職場の同期に誘われて参加した合コン。
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