目の上の義母(たんこぶ)
「それなら大丈夫だよ。陽葵が作っておいてくれたのが、冷蔵庫の中にあるから」


翔平のその返答に、わたしはお義母さんの後ろでうんうんと頷いていた。


よく言ってくれた、翔平!

なにも、旦那さんをほったらかして出かけるわけじゃない。


夕飯の用意があるとわかって、きっとお義母さんも納得したはず――。



「夕飯の準備って、…これかしら?」


なんと、さっきまで翔平と向い合せで話していたお義母さんが、気づいたらキッチンに立っていた。


いつ移動したのかもわからないほどの…早業!

しかも、人の家の冷蔵庫を勝手に開けて、中を確認している…!


「…え〜っと。トンカツと…、こっちはほうれん草のお浸しかしら?あとは、ポテトサラダとお味噌汁なのね」

「…はい。翔平さんが好きなものを作っておきました」
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