目の上の義母(たんこぶ)
「…そういえば、仕事はっ?夢だった保育士にはなれた!?」


幸せそうな晴馬の結婚話を遮るように、わたしは話題を変えた。


高校時代から語っていた晴馬の夢は、保育士。

子ども好きの晴馬にピッタリだと思って、わたしも応援していた。


その夢を叶えるために、教育系の大学へ進学した。


だからてっきり、夢を叶えているものと思いきや――。


「…いや。仕事は、公務員してる。市役所で」

「あ…、そうなんだ」

「就活してるときに付き合ってた彼女に言われてさ。保育士は給料が低いから、もっと安定した職のほうがいいって」


晴馬なりにもいろいろと調べて、将来結婚して子どもを養っていくと考えたら、堅い仕事のほうがいいと思ったんだそう。

だから晴馬は、長年思い続けていた保育士になる夢を諦めて、公務員になったのだ。
< 68 / 115 >

この作品をシェア

pagetop