目の上の義母(たんこぶ)
電話で、『少し待つことになるかも…』と言われたけど、全然構わない。

それで、赤ちゃんを見ることができるのなら。


赤鹿産婦人科は先生も評判がよくて、外装も内装もまるでホテルみたいにキレイ。

産後のお祝い膳も豪華で、遠くから受診する人もいるんだとか。


そんな産婦人科が近くにあるなら、必然的にそこを選んでみたくなったのだ。


いつかわたしもここで…。

という思いを抱きながら、何度その赤鹿産婦人科の前を通り過ぎたことか。



赤鹿産婦人科までは、自転車で10分もかからないくらいだ。

しかし、自転車の振動がお腹によくない…なんてことも聞いたことがあるから、20分かけて歩いて行くことにした。



「あ…あの。10時半から予約していた、飯田ですが…」

「飯田様ですね。こちら、問診票になりますので、おかけになってご記入お願いします」
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