目の上の義母(たんこぶ)
「はい」


受付で問診票を受け取ると、わたしは初めての産婦人科におどおどしながら、待ち合い室のソファに腰を下ろした。


当たり前だけど、女性の患者さんばかり。

それと、ふっくらしたお腹の妊婦さんの隣に、旦那さんらしき付き添いの男の人も何人かいた。


翔平もいっしょに赤ちゃんを見たい、なんて言ってくれたりするのかな。


そんなことを考えながら、わたしは問診票を記入した。



予約の時間から遅れること…20分。


〈婦人科でお待ちの飯田様。診察室にお入りください〉


アナウンスで名前が呼ばれ、わたしはドキドキしながら診察室のドアを開けた。


中にいたのは、40歳くらいの女医さんだった。   


イスに座ったあと、簡単な質問をされて――。


「それでは、さっそく赤ちゃんを見てみましょう」
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