断罪された公爵令嬢は元婚約者の兄からの溺愛に囚われる

 使用人と一緒に黒猫ちゃんをお風呂に入れて、爪を切って、獣医を呼んで病気などしてないか健康診断をしてもらった。軽い栄養失調のようだけど、子猫でもないし、ご飯をきちんとあげれば元気になるみたい。ちなみに女の子だった。

「黒猫ちゃんのお名前は何がいいかなー?」
「にゃーん」
「黒猫ちゃんは、黄金の瞳が可愛いから、ルナとかどうー?」
「にゃーうー!」

 キラキラとした表情で、わたくしの膝に乗ってきた。喜んでくれたのかしら。

「今日から貴女はルナよ。よろしくね」

 そう言うと、「にゃー」と元気に返事をして、顔を舐めてくれた。ちょっと舌がザラザラして痛いけど、可愛いからいくらでも我慢できる。

 ルナと家族になったその日から、一緒のベッドで寝る事になり。暖かくて幸せで、ジャックさまと会えない時間を癒してくれた。


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