断罪された公爵令嬢は元婚約者の兄からの溺愛に囚われる
「落ち着いた?」
「はい。恥ずかしいところを見せてしまって、申し訳ありませんでした」
「ヴィーに恥ずかしいところなんて一つもないよ。それに僕の前だったら、どんなに怒っても泣いてくれても構わない」
「――ジャックさま、せっかく止まった涙が、また出ちゃうような事を言わないでくださいまし」
「ははっ。ごめんね」
つい、すんっと鼻を鳴らしてしまった。それを聞かれてしまったようで、ジャックさまはまた無邪気に笑っていた。ずっと見ていたい位、可愛らしいお顔だわ。
「色々なことが起きてしまったから、婚約発表パーティーは行わない事になりそうなんだけど、新しいティアラは作ろうね」
「? わたくしのティアラなら、以前……」
「駄目だよ。僕の妃になるヴィーとして、新しく作らなきゃ。あのティアラを被るなんて、僕は耐えられない」
「っあ……」
無神経な事を言ってしまったわ。自分がジャックさまと同じ立場だったら、きっと嫉妬で気が狂ってしまうに違いない。でも少し、ジャックさまがヤキモチを焼いてくれたことが、不謹慎にも嬉しかった。
「結婚式は、冬に行おう。ウエディングドレスは、どんなのがいい?」
「特に大きなこだわりはありませんが、ジャックさまの色を使ったドレスを皆さまの前で披露したいですわ」
ジャックさまは、発光しそうなほど美しい金髪に、紫水晶のような瞳をお持ちだ。大胆にも紫色のカラードレスもいいかもしれない。妄想してみるととてもいい感じだわ。
だけれど流石に愛が重すぎるかも、だなんて一瞬不安になるが、その心配は杞憂に終わった。
ジャックさまは、手を顔にあてて、赤面なさっていた。わたくしの言葉でお顔を赤らめるだなんて。胸がポカポカ暖かくなる。
続けてわたくしはずっと思っていた欲しいものを伝える。
「それに、もっとわがままを言うと、結婚を記念してお揃いのアクセサリーが欲しいです」
「待ってくれ、ヴィーが可愛い過ぎて、ちょっと呼吸が出来ない」
「ふふっ。ジャックさま、大好きです」
「そんなに煽らないで欲しいな。我慢するのも大変なんだから」
再び抱きしめられて、わたくしの肩に、ジャックさまの顎が乗っかる。
この幸せな時間が、ずっと続けばいいと、星に願った。
「はい。恥ずかしいところを見せてしまって、申し訳ありませんでした」
「ヴィーに恥ずかしいところなんて一つもないよ。それに僕の前だったら、どんなに怒っても泣いてくれても構わない」
「――ジャックさま、せっかく止まった涙が、また出ちゃうような事を言わないでくださいまし」
「ははっ。ごめんね」
つい、すんっと鼻を鳴らしてしまった。それを聞かれてしまったようで、ジャックさまはまた無邪気に笑っていた。ずっと見ていたい位、可愛らしいお顔だわ。
「色々なことが起きてしまったから、婚約発表パーティーは行わない事になりそうなんだけど、新しいティアラは作ろうね」
「? わたくしのティアラなら、以前……」
「駄目だよ。僕の妃になるヴィーとして、新しく作らなきゃ。あのティアラを被るなんて、僕は耐えられない」
「っあ……」
無神経な事を言ってしまったわ。自分がジャックさまと同じ立場だったら、きっと嫉妬で気が狂ってしまうに違いない。でも少し、ジャックさまがヤキモチを焼いてくれたことが、不謹慎にも嬉しかった。
「結婚式は、冬に行おう。ウエディングドレスは、どんなのがいい?」
「特に大きなこだわりはありませんが、ジャックさまの色を使ったドレスを皆さまの前で披露したいですわ」
ジャックさまは、発光しそうなほど美しい金髪に、紫水晶のような瞳をお持ちだ。大胆にも紫色のカラードレスもいいかもしれない。妄想してみるととてもいい感じだわ。
だけれど流石に愛が重すぎるかも、だなんて一瞬不安になるが、その心配は杞憂に終わった。
ジャックさまは、手を顔にあてて、赤面なさっていた。わたくしの言葉でお顔を赤らめるだなんて。胸がポカポカ暖かくなる。
続けてわたくしはずっと思っていた欲しいものを伝える。
「それに、もっとわがままを言うと、結婚を記念してお揃いのアクセサリーが欲しいです」
「待ってくれ、ヴィーが可愛い過ぎて、ちょっと呼吸が出来ない」
「ふふっ。ジャックさま、大好きです」
「そんなに煽らないで欲しいな。我慢するのも大変なんだから」
再び抱きしめられて、わたくしの肩に、ジャックさまの顎が乗っかる。
この幸せな時間が、ずっと続けばいいと、星に願った。