断罪された公爵令嬢は元婚約者の兄からの溺愛に囚われる

 季節は瞬く間に巡っていき、妃教育も3年目に突入する。それに伴い、ジャック皇太子殿下への覗きレベルもアップした!
 白銀の髪の毛に、青色の瞳のわたくしには、とても似合わないけど、最近、茶色やベージュのドレスを着るようにしてる。どうして似合わないドレスを着てるかって? それは木の影に隠れても擬態がうまく出来るようになって、今までより近づけるようになるからです!

(はぁぁ、指先までもが美しいわ。殿下の彫刻を私の部屋に飾りたい……)

 本日も晴天。ジャック皇太子殿下は日課のお茶を楽しんでいらしている。
 まるで絵画のように完成された光景をうっとりと眺める。

 ――近々第二皇子が帰ってくるらしいと両親から聞いた。

 そして、結局、第二皇子との婚約発表パーティーも執り行われることになるようだ。明日からパーティーの準備で忙しくなるだろうし、こうやって落ち着いて覗きをするのも、しばらく難しいかもしれないわ。

 正式に第二皇子の婚約者となったら、いつも無理矢理断ってた侍女と護衛をつけて常に一緒に行動しなくちゃいけなくなるしね。

(はぁー、そろそろ戻らなきゃ)

 これから婚約発表パーティーについて話すため、皇族の晩餐会に呼ばれているのだ。晩餐会といっても、両親は呼ばれてないし、両陛下とジャック皇太子殿下と私の4人で行われる。
 そう。公式的にジャック皇太子殿下のお顔を拝める、絶好の機会! じゃなくて……、王族と会うので、身支度を整えなければいけないのだ。茶色のドレス似合わないし、流石にドレスを変えなくては失礼だ。

 いつも用意してもらっている皇城の部屋に戻り、サクッと侍女に着替えとヘアメイクを行ってもらう。その後、両陛下とジャック皇太子殿下との晩餐会が開かれた。

< 3 / 53 >

この作品をシェア

pagetop