【改稿版】明日はキミのために泣きたくない。



「ありがと」

「でもさぁ……千紘も大変だよね、レポートしないといけないんだから。学期ごとに三枚で、毎回一枚書かなきゃなんでしょ?」

「うん、そうだよ。でも免除してくれるだけでありがたいし……菜央ありがとう、体育頑張ってね。」


 彼女は「行ってきまーす」と言い元気よく体育館へ走って行った。

 ふと外を見れば男子がグラウンドでふざけていて……なんかいいなぁ、って思ったけど私には体育でふざけあうことなんて叶わないことだと、心の中で呟いてから職員室に入った。

 職員室に入ると体育の先生が授業の準備に向かう途中だった。だから、声をかけるとレポート用紙をもらい保健室に向かう。


「失礼します……」


 今日は先生がいないらしく鍵を開けて入る。誰もいないから冷たくて寂しい空間が感じられた。保健体育の教科書と先ほど渡された用紙を机に置き、指定ページを読み込み、メモ用紙に情報を書いて、構想を練って行くと下書きを書いてから清書を始めた。



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