【改稿版】明日はキミのために泣きたくない。
「失礼しまーす!! 先生〜怪我した……あれ、今君だけ?」
いきなりドアが開き、ビクっと肩が揺れ驚き出入り口をみると怪我をしたという男子生徒がいた。
授業中は誰にも会いたくなかったのに……
「私、手当てならしますけど、」
「ま、マジ⁈良かった……っ」
早く出ていってもらうために私は、彼に怪我している足に水で洗ってもらうようにお願いをすると、その間に手当てに必要な道具を準備する。
「洗ったよ、お願いします」
男子生徒に丸椅子に座ってもらうと、保健の先生に教えてもらった通りに手当てをした。
「うわ、ありがと! スゲー完璧だ。先生より上手じゃん!」
「それは言いすぎかと思うけど……どういたしまして」
先生より上手な訳ないでしょ、と思いながらも気分悪くならないように言って微笑んだ。
だけど、傷の手当てで完璧とか関係ないと思うんだけど。
なんだかとても大袈裟というか、よくわからない子犬みたいな男子だ。
「俺、応時亜樹。2年!」
おうじ…? なんか聞いたことあるような気がするけど、どこでだったかな。