【改稿版】明日はキミのために泣きたくない。



「私、取ってくるね」

「じゃあ、俺おばさんに声掛けるわ」


 そう言ってリビングへと入っていくのを見てから私は自分の部屋に行ってパジャマだけ詰め込んだ。

 すぐに階段を降りてリビングのドアを開けたけど、入ることができなかった。


『――朝陽くん、本当にいいのかい? 君は……千紘のことが好きなのか? 後悔、しないか?』

『……はい、俺は彼女が好きです。それに俺には“責任”がありますし、彼女を幸せにしたいと思ってます』

『……そうか、でもな朝陽くん。朝陽くんには朝陽くんの人生がある。もし好きな人がいるなら私は引き止めたりしないから』


 責任、か……やっぱり朝陽は義務感だけで一緒にいるんだなぁ。朝陽にとって私は重荷だよね。

 朝陽は、ずっと一緒にいたんだもん。

 事故の後、大好きな部活も退部して学校が終わったらすぐに帰って来て一緒にいた。

 私のために『千紘とたくさん出かけたいんだよ』と言い運転免許も取りに行ってくれた。

 それに勉強だって教えてくれて、彼の卒業した高校に合格出来た。

 思い出せば思い出すほど、やっぱり私は朝陽を縛ってるんだと実感する。


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