【改稿版】明日はキミのために泣きたくない。
***
「……んっ、もう朝かぁ……」
隣を見ると無防備な彼女がスヤスヤと眠っている。彼女を見ればすぐに目につく火傷の跡。
これは俺のせいで……彼女に怖い思いをさせた挙句に、傷すら残してしまった。
今もなお、この傷のせいで嫌な思いだって沢山させている。
「ごめんな」
そう言って髪に触れ、彼女の唇に唇を重ねた。俺には、千紘しかいない。
俺のせいで傷痕が残ってしまったけど、今なら……良かったと思う。
「……千紘、好きだよ」
傷痕がある限り彼女は……俺から離れることはできない。
いや、離してはあげられないの方が正解かもしれないな。