【改稿版】明日はキミのために泣きたくない。

「めっちゃくちゃ並んでる……さすが駅前だね」
 駅前にあるクレープ屋さん。期間限定だからかすごい行列で、これは大変そうだ。
「あ、これメニューだって……応時くんは何にする?」
「え、っと……これにする」
 応時くんが指したのはベリーベリーベリーというストロベリーやラズベリーにブルーベリー、その中に生クリームが入っているなんと可愛らしいチョイス。彼のイメージ通りだ。
「いちご好きなの?」
「う、うん……!」
「そうなんだ、美味しいよね」
 私はどうしようかな……うーん?
「千紘ちゃんは、迷ってる?」
「うん、ギリギリまで考える……」
 そういったものの決められない……もし、朝陽だったら『千紘はこれだよな』なんて言って決めてくれるよね。だめだ、忘れるって決めたじゃんか。
「私は……これにする」
「抹茶好きなの?」
「うん、好き……」
 応時くんと話をしているとすぐに順番が来て、注文をすると「俺出すから大丈夫」と言ってお金を出してくれた。
「番号札、だって……楽しみだね」
「うん、楽しみ!」
 その番号札を見ると【107】と書かれていて、それは朝陽の誕生日が並べられていた。
「千紘ちゃん、どうかした?」
「う、ううん! なんでもない!!」
 ダメダメ……今は、応時くんと一緒にいるんだから。もう、朝陽のことは忘れるって決めたんだもん。
 数分後に番号が呼ばれてクレープを受け取ってくれた彼が戻ってきた。
「はい、千紘ちゃん」
「お、お金後で返すねっ」
「いや、いいよ。俺が勝手に出したんだし誘ったんだから」
 応時くんは、さらっとそう言って一口食べ始めた。
「美味しいよ、食べなよ。アイスが溶けちゃうよ」
「う、うんっいただきます」
 私も一口食べると……すごく美味しかった。ほんのり甘くて、抹茶の苦さがちょうど良くて好みの味だ。
「あの、応時くんっていつも購買だよね?」
「うん、そうだよ。それがどうかした?」
 確かいつも、購買だって聞いたことある……。
「……お礼に、奢ってもいい?」
「え、じゃあ明日も一緒に昼休みいられるってこと!?」
「う、うん……そうだね」
「やった!! ありがとう!!」
 なんか、話が流された感じがする。
「そうだ、千紘ちゃん……お願いがあるんだけど聞いてくれる?」
 お願い……?

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