【改稿版】明日はキミのために泣きたくない。

◇俺の初恋は君だよ




「お疲れ様、亜樹くん」
「ありがとっ」
 試合が終わり、現在十三時。
 サッカー場で菜央たちと別れてから歩いて少しのおしゃれなカフェに2人で来ていた。
「ちいちゃん、何食べる?」
「えっと……」
「今日はね、日替わりハンバーグだって。俺はこれにする〜」
 亜樹くんはランチメニューに指差した。
【今日の日替わりランチ チーズインハンバーグ 570円】
 ハンバーグはガッツリだし、その下の【フレンチトースト 370円】に目が移った。
「私これにする……」
「了解、じゃあ頼むね」
「お願いします……」
 亜樹くんは、店員さんを呼んで手慣れた感じで注文した。なんか、女の子に慣れてる……よね。
 そうだよね、亜樹くんかっこいいもん。今までだって彼女いたよね?
「……俺の顔、なんかついてる?」
「いやっ……なんか手慣れてる感じがして」
「……俺、女の子と出掛けたの千紘ちゃんが初めてだよ」
 え? 初めてって……え?
「……俺、女の子を好きになったのも付き合ったのも初めてなんだよ」
「ほ、本当に?」
「本当だよ……あ、来たよ」
 その後は、運ばれて来た料理を食べて今回は亜樹くんが財布を出す前にお金を出せた。
食べる前に金額を見ていたから、入念に準備をしておいたからね。
「ごちそうさまです……」
「やっとご馳走できたよ〜ふふっ」
 外に出ると、亜樹くんはすぐに手を握った。しかも恋人繋ぎを普通にしてくる……本当に私が初めての彼女なのかね。
「今からはどっか行く?」
「亜樹くんは?」
「あー……俺着替えたいかな。汗臭いし」
 汗臭くはないけど、そういえば亜樹くんユニホームだ……かっこいいけど。
ユニホーム着てても王子様のようだよ。
「そうだ、俺んち来なよ」
「えっ……!?」
「そんな気にしないで……何もしないから」
 いや、亜樹くんが何かするとは思ってないけど。
「うん、亜樹くんが良いなら……」
「よかった。じゃあ行こ」
 そう言って亜樹くんに連れられて亜樹くんの家にと急遽行くことになってしまった。

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