【改稿版】明日はキミのために泣きたくない。
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「お、お邪魔します」
「どうぞ〜」
亜樹くんは多分予備のスリッパを出してくれて私が履くとリビングに案内してくれた。
「誰もいないから大丈夫だよ、そんな警戒しないで」
「え、あ……うん」
いや、もっと警戒……というか緊張するんだけど。でも、亜樹くんが高級マンションに住んでたなんて。
「どうぞ、麦茶しかなくてごめんね。これ貰い物のクッキーだけど」
めちゃくちゃ高そうなクッキー出てきたんだけど!
「嬉しいです……ありがとう」
「うん。俺シャワー浴びてくる、ちょっと待ってて」
そう亜樹くんは言うとリビングから出て行った。なんかすごく緊張した……だけど、こんなマンションに住んでるって亜樹くんのご両親はお金持ち? 社長さん、とか?
「お待たせ〜」
数分でリビングのドアが開くと、振り向くと亜樹くんは緩い感じの白Tシャツにおしゃれなジャージ姿で入って来た。心なしか色っぽい。
「……千紘ちゃん?」
「かっこいいな、と」
亜樹くんはなぜか真っ赤になったから見てるこっちまで赤くなる。
「そういうこと言うのは反則でしょ……」
「亜樹くん?」
亜樹くんの言葉の意味が理解出来ずに首を傾け「どういう意味?」と聞いてみる。けど、顔を逸らされてしまいどうしたら良いか分からなかった。
「……俺のこと、見て」
「?」
「俺は……千紘ちゃんが好き。すごい、好き」
す、好き……そんなにどストレートに言われるなんて思わなかったから体の体温が上昇していくのが分かるくらいにドキドキした。
「……あの別れた男のことじゃなくて、俺だけ見てよ。俺でいっぱいになって」
「あ、亜樹くんっ」
ドキドキして胸がいっぱいになっていくのがわかる……彼に抱きしめられていて、その温もりが、なぜか安心した。
「好きだよ。ちぃちゃんは……俺のこと好きになってくれる?」
そう言われ、なぜか頷いた私……もしかしたら亜樹くんに気持ちがいってるのかな。もう朝陽は……過去の人になって言っているんだろうか。
「うん、亜樹くんが……好き」
そう言った私の心は安心感。
「ありがと……っ」
亜樹くんは私の唇に唇を重ねた。なぜかモヤモヤな気持ちになる。……だけど今は彼のそばにいたいと、彼のキスが心地よく感じた。