【改稿版】明日はキミのために泣きたくない。

 ***

 
「あ〜面白かったね」
「う、うん……そうだね」
 全然、集中出来なかった……彼氏と映画ってこんなに緊張するものだっけ? 朝陽との時は緊張なんて全くしなかったのに。
 いや、小さい頃から一緒だし当然か。朝陽に緊張なんて今さら……
「ご飯、何食べる?」
 ご飯なんて気にしてなかった……ご飯か、どこも混んでるなぁ。
「どこも混んでるよね」
「まあ、休日だもんね」
 もし、朝陽だったら『コンビニかドライブスルーでなんか買って車の中で食べよ』なんていうんだろう。だけど、今は亜樹くんといるんだから比べちゃダメなんだよね。
「千紘ちゃんってパンケーキ好き?」
「うん好きだよ、でもパンケーキ屋さんなんて凄い混んでるんじゃない?」
「……持ち帰りオッケーだって、あれなら」
 少しだけ並んで買ったものを持って近くの公園のベンチに座った。箱にはお店のロゴと【パンケーキバーガー】と書かれていた。
 本店は他県だけど、今は出張販売をしているらしい。とっても美味しそう!
「うわあ……凄いふわふわだね! 美味しそう」
「いただきます!」
 パンケーキの生地がふわふわで中のクリームがほんのりと甘くて美味しい。イチゴもいっぱい入ってて贅沢なのにこれで六百円は安いよね。これ普通にお店出して欲しいくらいだよ。
 食べ終わって手を合わせ挨拶をする。
「ご馳走様でした」
 それから公園をぶらっと歩いて近くをぶらぶらっと歩いて家に帰った。最初は朝陽のこと思い出したりしちゃったけど、亜樹くんが笑わせてくれるから本当に楽しかった。
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